V構基板・ファイバアレイ検査装置
(YGN-590-FAVG)Multiple Core Optical Connector Measurement Inspection Machine
本装置は多芯光コネクタと導波路ピッチずれ、形状等をレーザーヘテロダイン変位計と画像処理により高精度に測定します。また、特殊光学系により最適倍率で測定します。
測定対象物 |
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繰返し測定精度 | 3σ≦0.1μm |
測定時間 | 1~2sec/1芯・1溝 |
- V溝間のピッチを測定します。
- ファイバ仮想円中心からY軸方向(上下方向)のズレを測定します。
- V溝の角度を測定します。
- V溝の高さを測定します。
装置構成
顕微 | 無限系光学系対物レンズ
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CCD | 2456×2058(画素数) |
光源装置1(同軸反射照明) | LED照明 外部コントロール |
光源装置1(同軸反射照明) | LED照明 外部コントロール |
自動X,Y,Zステージ |
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レーザー干渉(2軸) |
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テープファイバー入光ユニット | カスタムメイド |
ワークホルダー | カスタムメイド |
PC | OS:Windows7 |
自動ステージコントローラ | X,Y,Z軸ステージ制御 |
オプション
- 防振台(自動レベリング方式、エアー連続供給式)
- 校正用ガラスパターンゲージ
製品詳細
本品は特殊光学系と高解像度カメラで撮像した画像に独自アルゴリズム画像処理で再現性を高め、移動量はレーザー干渉計の搭載により値の信頼性を高めPCによるXYZ自動ステージ、照明光量を制御して高精度に寸法測定を行うと共に規格値を設定して検査を行う装置です。
本装置の測定対象は光通信部品のV溝基板、ファイバーアレイ、これらの光通信部品は同形状での高密度化、接続損失を最小限に抑えるために厳しい精度で製作されています、その厳しい精度に対して測定を行える世界で数少ない装置の1台として国内外の光通信部品メーカー様から高い評価を得て納入に至っています。
以下に測定対象毎の測定内容、装置概要の説明をさせて頂きます。
測定内容の説明
V溝基板の寸法測定はV溝間ピッチ、V溝の上下方向のズレ、V溝の角度、V溝の高さを測定します。
V溝間ピッチはV溝斜辺を基に両斜辺の交点から隣接するV溝の横方向の距離を求める方法又は、V溝斜辺からファイバ仮想円を描いた中心から隣接するV溝の横方向の距離を求める方法の2通りの選択ができます。
V溝の上下方向のズレはV溝にファイバ仮想円を描いた中心を用いて測定します、両端の中心を結ぶ直線を基準とした縦方向の変位量の距離を求める方法(この場合、測定対象は両端以外のV溝になります)又は、全てのV溝の上下方向の変位量から仮想基準を作り、仮想基準に対してV溝の上下の変位量の距離を求める方法の2通りの選択ができます。
V溝の角度はV溝の両斜辺から求め、高さは両斜辺の交点から斜辺上部までの垂直距離を求めます。
ファイバーアレイの寸法測定はファイバコア間の横方向の距離、ファイバコアの縦方向の距離、ファイバコア間の距離を測定します、これらの測定はファイバのコア中心の近似円の中心を基に導出します。
ファイバコア間の横方向のズレは隣接するファイバコアの横方向の距離を求めます。
ファイバコアの縦方向の距離は、並んだ最初と最後のファイバコアの両端を結ぶ直線を基準とした両端以外のファイバコアの縦方向の変位量の距離を求める方法又は、全てのファイバコアの上下方向の変位量から仮想基準を作り、仮想基準に対してファイバコアの上下の変位量の距離を求める方法の2通りの選択ができます。
ファイバコア間の距離は上記のピッチ(X位置情報)と上下方向のズレ(Y位置情報)から導出します。
装置の説明
本品は大きく本体部と制御部で構成されています、本体部は架台、測定本体、XYZ自動ステージ・ワーク搭載部、観察照明部のユニットで構成され、制御部はPC部、PCラック、ドライバーボックス、レーザー干渉計で構成されPCをホストにしたシステムを構築しています。
本体部の概要を順に説明します架台はエアー連続供給式のオートレベリングと除振機能付で安定した姿勢を保ちます、その載物面に測定本体を載せて運転します。
測定本体はベースに石定盤を使用し剛性強化と振動を減衰する事で安定した測定を支えます。ベース上にXYZ自動ステージ、分解能0.01μmのレーザー干渉計、顕微鏡、透過照明ユニットが搭載されて測定本体部を覆うカバーにより自動運転時に上部からの侵入を防ぎます。
XYZ自動ステージの各軸の移動量はX軸100㎜、Y軸4mm、Z軸4mmが標準仕様です。移動量はカスタマイズもお受けする事ができます。駆動はエンコーダ付モーターを使用し、駆動と移動の相関がより高まります。各ステージは独立構造体にありZYXの順に積載し最上部のX軸にはレーザー干渉計用のミラーが2枚設置されて移動量の検出、移動時の上下変位量及び、Z軸移動の検出を行います。又、X軸上にはワークホルダーが搭載され、ワークホルダーは測定対象及び、ユーザー様毎にカスタマイズされた専用品を取付けて測定対象をしっかり固定する事で測定精度を高めます。
観察照明部は画像処理の根幹となる画像を撮像するので顕微鏡、照明器材、CCDカメラは日本のトップメーカーを使用し高品質と信頼性を高めています。CCDカメラの撮像素子はCCD素子でノイズと素子単体欠損を軽減し、画素数はQSXGAの高解像度CCDを採用する事で画像を鮮明に撮像して画像処理の再現性を高めます。照明器材の光源はLEDを採用し出力の安定が得られるので日々の起動準備が容易で有ると共に、電球型照明器材に比べてメンテナンスコスト(ファンの疲弊交換)とランニングコスト(電球の寿命・消費電力)を抑えるお役立てをしています。又、透過照明光は測定対象毎に機材を厳選し画面内輝度の不均一を大幅に削減しています。
制御部はPCがホストとなりオリジナルソフトウェアと制御に要する各種ボードにより画像処理、駆動、オートフォーカス、レーザー干渉計、照明光量の全てを制御します。OSはWindows7(日本語又は、英語)です。
画像処理は独自アルゴリズムで対象検出は多値化処理で行います、処理する情報量を例えるとMTコネクタのガイド穴が検出対象の場合、周囲画素数が5,000画素で対象検出はその4列以上の計20,000画素以上の情報量から近似円を導出し、高速処理により小数点以下の処理時間で対象検出を行います。
画像処理で導出された値の信頼性を向上するために再現性以外にキャリブレーションが必須になります。本装置では画像上のXY距離も導出に含まれるためその必要性を重視して、特注の基準パターンを製作し測定対象毎の倍率(視野)毎のパターンでXY其々の方向のキャリブレーションを行っています。その基準パターンはトレサビリティ体系図、検査成績表を明確にしています。
オートフォーカスはオリジナルソフトウェアの機能に付属し、焦点走査コントラスト検出式で反射照明光、透過照明光其々で焦点を再現性良く合わせます。照明光量制御もオリジナルソフトウェアの機能に付属してソフト上からレベル調整と点灯、消灯の操作が行え、オートライト機能は設定輝度に対し検出輝度が増減していた場合、光源をループ制御により設定輝度に合わせます。